腕時計の高度計精度を検証してみる -前編- 【登山用腕時計 「PROTREK」の基本説明】

以前から気になっていた“高度計機能”を搭載した腕時計「PRO TREK(プロトレック)」を購入。

登山時に携帯することでどれくらいの恩恵があるのか? いろいろレビュー&検証してみました。

 

 

「あると嬉しい」高度計

本格的な登山の趣味を初めて1年が経ちました。

順調に関連アイテムは増えてゆき、散財した金額のことは考えたくありません・・・。

 

 

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何度も山に登る度に

「あとどのくらい登るんだろ?」とか、

「全ッ然 地上が見えてこないんですけど・・・」など、

登り / 下りに共通して「現時点の高度がどのくらいなのか?」と無性に知りたくなる瞬間を数多く経験しました。

 

そんな中 “高度計付きの腕時計” の存在を知ってしまい、物欲は日増しに強くなるばかり・・・。

 

 

スマートフォンの “高度計アプリ” を使用すれば簡単に解決する問題ですが、

「 歩行中に腕元を確認するだけの手軽さが大きなメリットなのだ!」 

と、   無理に理由を後付けする方向で    考えます。

 

普段使っている腕時計は日々の酷使に耐えるに加え、登山中に岩場でぶつける事を数回経験したことにより、山登りには携帯しなくなりました。

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腕時計の無い登山は想像以上に不便なもので日没を気にして山道を駆け回り、リュックからスマホを取り出す煩わしさといったら・・・

 

なんだ、山用の腕時計を導入する必要性は充分あるじゃないか!

これはもう・・・  買うしかないね !!

そんな経緯でお買い上げ ↓

CASIO  PROTREK        PRW-3510Y-1JF

 

視認性に優れたアナログモデルも検討しましたが、物理的に壊れる箇所が少ないと思われるデジタルモデルを選択。

半ば強引な経緯での導入でしたが後悔は微塵もありません。

 

新しいおもちゃを手に入れた高揚感のお陰でガッツリ減った貯金額の事はしばらく忘れられそうです。

 

 

ファーストインプレッション

ソーラー発電 + 電波時計と基本性能をしっかりと充実させつつ、「電子コンパス」「気圧計(温度計)」「高度計」を搭載。

機能以外の面も登山に特化した工夫が施されています。

操作系のボタンは大きめかつ押しやすい形状になっており、厚手のグローブを装備しての操作も快適。

「藪漕ぎ」や「冬山の登山」を経験してしまうとこの配慮ひとつで幸せな気持ちになれます。

 

 

ベルトはウレタン製でクッション性が良く、長時間着用しても手首が疲れることはありません。

長めに作られているので分厚い衣服の上からも装備が可能。

登山中に袖をめくる手間なく時間を確認することができます。

 

 

「レジスターリング」は時計回り/半時計回りと両方向へ回転。クリック感は無く適度な抵抗でスムーズに回ります。

基本的に樹脂で構成された本体においてこの部分は剛性のある金属製。

 

 

向かって左側にあるセンサー。

この時計においてもっとも重要と思われる部分です。

 

 

じっくりと観察してみると小さなスリット(穴)から網目状の部品が確認できました。

おそらくここから外気の気圧や温度を計測しているのだと思われます。

「20気圧防水」とありますが「センサーの感度に影響あるかも・・・」と考えると意図的に水に浸けることに抵抗を覚えました。

 

 

 

4つの特徴

向かって右側にある3つのボタンは以下の通り。

各機能の詳細を順を追って説明していきます。

 

 

感度の良い電子コンパス

ボタンを押すと液晶画面の外周に3つの点が表示されます。

 

 

滑らかに回転して常に北方向を差し中央の画面は現在の方位が表示されます。

アナログモデルでは「秒針」が北を指します。

 

 

ガチの方位磁石(アナログコンパス)と比較。

感度・精度共に申し分ありません。

 

 

ただしウレタンバンドの仕様から水平に置くことが苦手です。

 

 

慎重に置けば写真のようにもできますが、じっくり地図と照らし合わせる際はちゃんとした方位磁石を使った方がスムーズでした。

あくまで “簡易的な使用に限る”と割り切った方が良さそうです。

 

 

実際に重宝した使い方がコレ ↓

まずは向かう先を目視で決定。

 

 

目的地に対し、12時の方向を向けて「電子コンパス」をON。

 

 

北を指した方向へレジスターリングを回転、「N表記」とポイントを合わせます。

これで下準備が完了しました。

 

 

目的地が見えない木々の生い茂った山道に入ったところで、再び「電子コンパス」をON。

 

 

レジスターリングの「N表記」と電子コンパスの「北」方向に合わせるようにすれば、向かう先の方向が判るようになります。

何度か使ってみましたが未開のルートを散策する「藪漕ぎ」には最適な機能でした。

 

 

実用性抜群の気圧計

気圧と天気の関連性は端的に言うと、

・気圧が上がる↑ =晴れる(天気が良くなる)

・気圧が下がる↓ =雨が降る(天候が悪化する)

との認識で問題ないようです。

「気圧計」は常に液晶画面で確認することが出来、リアルタイムで気圧変化のチェックが可能。

グラフが下がり気味になってるので、これから天気が崩れていく・・・のか?

 

 

それから数分後、晴天だった空が急に曇り始めました。

天気は回復することなく雨がポツポツと降り始めます。

 

 

次の朝を迎えても天候は優れず雨模様。

 

 

気圧計を確認すると急勾配の下り坂を描いています。

その日の午後、気圧計が上昇していくのを確認。

 

 

午前中の天気を見る限り晴れるとは思えませんが・・・

 

 

夕方になるにつれ雨雲が消え、曇り空から太陽が顔を出しました。

それから数回に渡り天候の状態を照らし合わせてみましたが 結果はどれも良好。

気圧計の精度はかなり信頼できるものと判断しました。

 

 

 

注意が必要な温度計

向かって右側中央のボタンを押すと画面下に「温度計」が表示されます。

何度か使ってみましたが実際の気温よりも高めに表示されています。

 

 

腕に巻いていることから体温を拾ってしまい誤差が出てしまう模様・・・。

腕から外して5分程放置することで正確な温度を測ることができますが、この点は少々残念に思えました。

 

 

 

使い方次第で化ける高度計

向かって右側下のボタンを押すと「高度計」が表示されます。

散歩の途中で「高い場所」を見つけては登り高度を確認。

 

 

 

感覚的な測量ですがおおよそ合致していると思われました。

高い場所に登れば数値が上がり、降りれば下がる。

リアルタイムで数字が変動する様が面白く、野外/屋内を駆け巡ります。

建物内でも正確な計測ができたことに驚きました。

これもあの網目状のセンサーが・・・

いったいどんな理屈で計測しているのか? 実際に計ってみると不思議な感覚です。

 

 

 

「気圧変化ありき」の高度計

「PRO TREK(プロトレック)」に採用されている高度計は、気圧の変化をセンサーで感知することで現在地の高さを計測しており、急激に気圧が変動する山においては、同じ場所に留まり続けると高度計に誤差が生じることが多々あります。

実際に実験してみました。

 

 

向かった先は近所にある「海抜1.1m」地点。

※【海抜】=「干潮時」と「満潮時」の年間平均を基準とした海水面から測った陸地の高さ。

天候は雨上がり(気圧=低め)

ここで高度を「1m」にセット(微調整)します。

※「海抜1m」=「高度1m」

翌日、同じ場所で高度を計測。天候は快晴(気圧=高め)

まさかの「- 51m」

ある程度のズレは想定していましたが、まさかマイナス表記とは・・・

(´-`).oO(地下51m・・・)

大きな気圧の変化があったことにより高度に大きな影響を及ぼした結果が顕著に表れました。

この時点でPRO TREKの高度計は

「現在いる位置の高さがわかる」

というよりも、

「基準地点を設定してからの高度変化を計測する」

と認識した方が適切な使い方ができると思います。

 

後編は実際に山に入り高度計精度の検証を行いました。

 

 

これから購入を考えている方の参考になれば幸いです。

 

【NEXT >>】

腕時計の高度計精度を検証してみる -後編- 【登山用腕時計 「PROTREK」の実用レビュー】

 

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1件のコメント

  1. プロトレックを買おうとしていて、センサーの精度がどうなのか検証記事を探してたら、まさか自分が買おうとしているPRW-3510Yだった。大変参考になりました。ありがとうございます。

    マキシ
    1. お役に立てて光栄です! PRW-3510Yは使い始めてもう3年程になりますが今では手放せない相棒です。
      今日まで色んな山々(近所の低山から富士山まで)で使用しましたが、誤差は数メートル圏内に収まっておりセンサーの精度には毎度驚いています。

      qasqus

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