
前回に引き続き「メスティン」の魅力を余すところ無くお伝えする企画、第二弾。
今回は「ご飯」を炊いてみることに挑戦しました。
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もともとメスティンは「ご飯を炊く道具」として世に出た製品ですが、自分の知っている飯盒(はんごう)と形状が大きく異なります。

※ 一般的な飯盒イメージ ↑ ↑ ↑
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よって、“鍋を使ってご飯を炊く”といったニュアンスの方が近く
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「本当に炊けるの?」
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と、やや不安が拭いきれない状態でのスタート。

お米 “ 一合 ” を計量カップで量りメスティン内部に入れて水を注ぎます。

何度か洗って乳白色の研ぎ汁が透明になったところで30分ほど放置します。
ここまでは通常の炊飯となんら変わりません。

水をある程度吸わせた後、写真にある「リベット」の下側の位置に来るよう量を調整。(※お米1合の場合)
下準備はこれで完了です。
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続いて加熱作業に移ります。

今回は「アルコールストーブ」を熱源として使用。
炊飯作業はご飯が炊けるまで30分前後の時間が掛かるため、燃費と火力を総合的に考えた結果この形で落ち着きました。

後学のため、炊き上がるまでの正確な時間を知りたいことから“無風の状態”での計測を実行。
風の心配が無い「室内」で作業を行います。
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HIの天板に乗った超アナログスタイルのコンロ。
「ハイテク」と「ローテク」の対比が実験魂をくすぐります。

手始めに燃料用アルコールを「20ml」入れた状態で着火!
室内なので火の色がしっかりと確認できます(※野外だとまったく見えません)

風がまったくない状態なので 約10秒ほどで“本燃焼”へ移行。
屋外で行った時と比べ、頼もしい程に力強い火力です。

五徳の位置を確認しながら慎重にメスティンを設置。
開始早々アルミの高い熱伝導性の恩恵で本体から熱気が伝わります。

ここで「風防って必要?」と、もっともな疑問が起きたため取り外しました。

メスティンの側面にうっすらと水蒸気が付着してますね。
今のところ順調なご様子・・・

と思った矢先、いきなり
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「ショワアアアアアアアア!」
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と沸騰した“とぎ汁”が隙間から吹き出しました。

沸き立った熱湯が湧き水の如く吹き出ています。
ふんわり立ち上る蒸気が “炊飯器から漏れる香りそのもの ” なことから「ここまでは順調なのだ」とひと安心。
ただし、水たまりを広げながら湧き出す水流は止めどもなく・・・

止めどもなく・・・ って、全然止まりません!!
(中身の水分全部出尽くしちゃったんじゃないの?コレ)
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中身を確認したい衝動を延々耐えながら待つこと数分。とりあえず水分の流出は止まりました。
サイドからはみ出た火によって焦げたとぎ汁がビジュアル的になんとも・・・

「開始から最大火力で炊き続けたのがダメだったのかも?」
と不安になったため“火力調整フタ”を使用して弱火にしてみます。

/ 火力調整蓋 \
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スライドした隙間の大きさで火の勢いを“ある程度”(←重要)調節できるスグレモノ。

燃えさかる火口めがけて・・・

(^o^)/ (( O「そおいっ!」

火口が1/3程の大きさになり炎の勢いもみるみる小さくなっていきます。

無事「トロ火」になったのを確認してそのまま放置。
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ここで予定を変更。
単に「ご飯を炊いて終わり!」では味気ないので、途中からカレーを作ることにしました。

ご飯が炊けるのを待つ間にカレールーを温める作業に移ります。

レトルトパウチの温めはメスティンを使って行っていますが、現在は炊飯に勤しんでいるため使えず・・・
代用品としてシェラカップに無理矢理パウチ袋を詰め込みます。

炊き上がりの時間と帳尻を合わせるためガスバーナーを使用。
アルコールストーブとは一線を期す火力にて、ものの数分で温めが完了しました。

あとはご飯が炊きあがるのを待つのみ。
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って、 ・・・あれ?
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Σ(;´Д`)「火ィ 消えとるがなーーーーッ!」
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目を離した隙に燃料のアルコールが切れてしまった模様。

急いで燃料アルコールをつぎ足し、最大火力の状態で再びメスティンを設置します。

燃料切れを起こして “ 加熱していない空白の時間 ” がどのくらいあったのか?
「この炊飯は絶対に失敗する・・・」との確信が沸き始めた辺りで焦げた匂いが!
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焦げた匂い = 炊き上がりのサイン
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もしかして行けるかも!!!!

急いでアルコールストーブを消化!

慎重にメスティンをひっくり返して

祈りながらそのまま放置。
これから20分ほど蒸らします。

その間にソーセージを取り出して、

サッとシェラカップで炒めます。
(フライパンを出す手間をケチったため、鍋底が黒焦げに・・・)
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頃合いを見てメスティンのフタをオープン。

おおっ!想像していた以上に良い感じ!
表面は少々ゆるめな質感ですが、掘り下げていくとしっかりとお米が立っていました。

底に若干の焦げを確認。
ほんのりと色が付いていますが味には全然支障のないレベルです。

2人分に分けて盛りつけ(今回はシェラカップも大活躍でした)

上からカレーをかければ完成です!
器がアウトドア用品になるだけで美味しさが倍増しになるから不思議です。
雰囲気を抜きにしてもご飯の味は炊飯器で炊いたそれと比べても謙遜のないレベルでした。
(これで室内じゃなければなぁ・・・)
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今回は炊飯に使用しましたが「鍋」として使っても抜群の汎用性を誇ります。


お湯を湧かして紅茶を煎れてみたり、

パスタを茹でる鍋として使ったり、
(“サラスパ ” だと丁度入る長さのためお奨めです。)

本格的な煮物スープを作ることも可能。
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【その他の使用法】
メスティンはその無駄のない形状から、調理器具としてだけでなく「入れ物」として扱うことが可能です。

野菜やパスタを保冷剤と一緒に入れて持ち運んだり、

アルコールストーブに必要な道具一式をコンパクトにまとめてみたりと、お値段以上の価値が満載です。
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頑丈なアルミ素材とシンプルな構造のため故障することは滅多に無く、これから末長く使っていくことになりそうです。
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