ミシンの目飛び防止押さえを新調した話

X-Pac縫製時に「目飛び」が多発するので改善を試みました。

 

 

 


縫製に使用している「段押さえ」

中心を境に左右のパーツが独立しており、片側にはバネが仕込まれています。

 

 
生地を押さえると片側がちょうど「ガイド」の役割を果たし、端っこから均等な幅で縫製することが可能。

幅のピッチは「1mm,1.5mm,2mm」とバリエーションに富み「右用/左用」が存在します。

この押さえを使うと使わないとでは作品の出来は雲泥の差。
縫製の初心者でもそれなりに綺麗に縫製することが可能となる魔法のアイテムです。

 

 

すべてにおいて万能と思われるこの押さえですが、通常の押さえに比べて糸の目飛びが多発します。(バネによる押さえ圧の分散が原因っぽい)


ShPARKAを縫製するときも例外なく目飛びは発生。

X-Pac生地の密度や厚み(生地が重なった部分)で針に抵抗感を感じることが多く「ピョン!」と弾かれたように縫い目が乱れます。

 

スピードの緩急を付けてみたり、針にシリコンを塗ったり、押さえの圧を強弱つけてみたりと改善策は試みたのですが一向に改善にならず・・・

 

通常の押さえに戻せば目飛びは発生しないのですが縫い目のピッチが乱れてしまい悶々とします。

 

なんとかならないものか・・・と追い詰められ、色々と調べてみると「目飛びを防止する専用の押さえ」が世に存在することを知りました。

強烈な期待を胸に即日注文。手元に届くのを待ち望みます。

 

 


購入したのは「NIPPO 段付押え「新型目飛び防止スプリング付) (右) NR/2.0mm」

 

 
押さえを変更したついでに縫い針も新調。

「オルガン 目飛び防止用ミシン針 O-DB×1NY2  (太さ14番)」

目飛び防止に特化したミシン針。

世の中には同じ悩みをもつ人達が多数存在する事実と、それを改善するために邁進するメーカーの努力に感銘を受けました。

 

 


手前側に見えるバネパーツが大きな特徴。

全身から漂う「オレがすべてを解決してやる感」に胸を射貫かれ心が躍ります。

 

 


色んな角度から比較。(従来の段押さえ(左)とNIPPO新型段押さえ(右))

大きく異なる点は抑えのバネの部分(むしろそれ以外は大きな差異はありません)

 


追加されたバネの仕事ぶりを確認。押さえの圧は2倍増しほどに感じました。

キツ過ぎず緩すぎず絶妙なテンション具合がとても頼もしいです。

 


生地が流れてくる入り口側のテンションも良い感じ。

通常の段押さえはこの部分が緩い目に調整されているため、厚く重ねた生地が入っていった瞬間に踊って(左右にブレて)しまいます。

 

 


早速ミシンに取り付けて縫製。期待と不安が入り交じるなか慎重に生地を送っていきます。

いつもなら目飛びが多発してゲンナリする箇所になっても綺麗な縫い目をキープ。

スピードの緩急をつけても糸が弛む気配がありません。

 

 


段押さえによる均一なラインに加え、目飛びのない綺麗な縫い目が素晴らしい。

 

この後、何個か制作を重ねましたが目飛びが発生することはありませんでした。

 

 


道具ひとつ代えるだけでここまで結果に影響するのは非常に面白く、作業効率の改善に大きく貢献。

 


段押さえを多用しており、目飛びに悩まされているのならば導入する価値は充分あると感じたアイテムでした。

導入の際はミシン針と同時に変更することをお勧めします。

 

 

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